伏見唐辛子と京点心|青椒肉絲・たまご春巻・酸辣湯・炒飯の中華風献立帖

伏見唐辛子と京点心(点乃)
青椒肉絲・たまご春巻・酸辣湯・炒飯。やさしい青に寄り添う中華風の一膳です。
はじめに:伏見唐辛子のこと
京都・伏見で親しまれてきた伏見唐辛子は、細長くて、色は澄んだ緑。名前に「唐辛子」とあっても辛さはやわらかで、むしろ甘みとみずみずしさが持ち味です。焼けば甘さがのび、煮ればだしに寄り添い、炒めれば香りがふっと広がります。
湯気の立つ点心のそばに、この青があると、食卓は少し軽やかになります。季節は白露のころ。青は澄み、食欲も少しずつ戻ってくる頃合いですね。
- 旬:初夏〜初秋(小暑〜秋分)
- 特徴:皮が薄く、甘香がやさしい
- 向く調理:焼く・浸す・炒める・揚げる
つくり方(要点)
主菜:青椒肉絲(4人前)
- 牛ももor豚ロース 250g(細切り/下味:醤油・酒 各小さじ2、片栗粉 小さじ2)
- 伏見唐辛子 8本(斜め細切り)・筍 100g(千切り)
- 生姜・にんにく 各1片(みじん)・油 大さじ2
- 合わせ調味:醤油 大さじ1.5/オイスター 大さじ1/酒 大さじ1/砂糖 小さじ1/胡椒 少々
- 肉に下味をもみ10分休ませます。
- 香味を軽く炒め、肉を強火でさっと。いったん取り出します。
- 伏見唐辛子と筍を炒め、肉を戻します。
- 合わせ調味を回しかけ、手早く絡めて仕上げます。
副菜:たまご春巻(冷凍・京都点心福)
解凍せず170〜175℃で5〜6分、きつね色まで。伏見唐辛子の素揚げを添えるときれいです。
汁物:伏見唐辛子入り酸辣湯(4人前)
- 鶏ガラスープ 800ml/豆腐 150g/干し椎茸 2枚/筍 50g/卵 2個
- 伏見唐辛子 4本(斜め)
- 醤油 大さじ1/黒酢 大さじ2/胡椒 大さじ1
- 水溶き片栗粉(片栗粉 大さじ1+水 大さじ2)・胡麻油 小さじ1
- 具材を細めに切り、スープでやさしく煮ます。
- 醤油で整え、とろみを付けます。
- 卵を糸のように回し入れ、黒酢と胡椒大さじ1を加え、胡麻油で香りを添えます。
ご飯物:伏見唐辛子と豚ひき肉の炒飯(4人前)
- 温かいご飯 600g/豚ひき 150g/卵 2個/長ねぎ 1/2本
- 伏見唐辛子 5本(みじん)
- 醤油 大さじ1・塩 小さじ1/2・胡椒 少々・油 大さじ2
- ひき肉を炒め、伏見唐辛子とねぎで香りを立てます。
- 卵→半熟→ご飯を入れ、切るように炒めます。
- 調味して強火で仕上げます。香りが立ったらできあがり。
おわりに
主菜の力強さに、春巻のやさしさ、酸辣湯のすっきりとした余韻、炒飯の香ばしさ。伏見唐辛子の青は、どれにも寄り添って静かに彩りを添えてくれます。
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