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2025-08-04 福福通信

「おくらさんの三つのかたち 〜夏の台所にて〜」

京都伏見、朝の仕込み場はまだ静か。
外は蒸し暑うて、うっすら汗がにじむころ。
お釜の湯気の向こうに、しゅうまいの香り。
ほんに、毎朝変わらぬ風景どす。

けど、今日はそこに、
ねばねばの名人さん――“おくら”さんが仲間入りや。

おくらさんは、夏のあいだにしか現れへんけど、
小さい体にすごい力を持ってはる。
ほてった身体や、疲れたお腹を、
そっと癒してくれはる優しい方どすえ。


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🍽️おくらさんの三つのおすがた


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一、梅とトマトの甘ずっぱい和えもん

・おくら(さっと湯がく)
・ミニトマト(湯むき)
・梅干し(叩いて)

うちのおすすめは、梅干しとトマトを合わせたひとしな。
夏バテ気味でも、ひと口で元気になれそうなどす。


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二、長芋と冷やし出汁のすべるようなお吸いもん

・おくら(斜め切り)
・長芋(すりおろすか細切り)
・冷たいかつお出汁+おろし生姜

すっと喉を通る冷たい出汁。
一度口にしたら、うちはしばらく黙ってしまいましたえ。
ほっこり、ゆったり、夏のためのごほうびどす。


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三、ちりめんとご飯の止まらん炒めもん

・おくら(輪切り)
・ちりめんじゃこ
・ごま油・みりん・お醤油

これ、炊きたてご飯にのせてごらんなさいな。
あっという間に茶碗が空になる…
そんな罪深い一品どすえ。


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🍃ちょっと聞いてほしいお話

おくらさんって、ねばねばしてはるでしょ。
あれ、ムチンっていう成分やそうで、
胃の粘膜を守ったり、疲れを癒したり、
ほんまに頼りになる方どす。

実は、日本に来はったのは明治時代ごろらしいですえ。
はじめは珍しいもん扱いやったけど、
今や夏には欠かせへん存在になりはったんやって。

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