茶の花が多い年のお話と、焼売専用茶のご紹介|点乃だより

茶の花が多い年のお話と、自然からのやさしい便り
晩秋から冬へ移るころ、茶畑にそっと咲く白い茶の花。 ほんのりとした香りと、控えめな姿がなんとも愛らしくて、 見つけますと、季節がまた一歩進んだんやなぁと感じます。
■ 茶の花って、どんなお花どすえ?
茶の木は椿の仲間どすので、花の形もどこか似ております。 白い花びらに、まるい黄金の雄しべが揺れ、 咲くのは十月から十二月にかけて。 霜が降りる季節、静かに冬を知らせてくれます。
■ 花が咲くと、葉っぱはどうなるん?
茶の木にとって花を咲かせるのは自然のことなんどすけど、 花が増えますと、どうしても葉っぱに回る力が少し弱まります。 翌年の新芽が細くなることもありますので、 お茶農家さんにとっては気になるところなんどす。
■ 茶の花が多い年に見られること
● 木がちょっとお疲れのとき
夏の暑さや雨の少なさ、虫の被害などで茶の木がしんどい思いをした年は、 花をようけ咲かすことがあります。 「いまのうちに子孫を残そう」としているんやそうです。
● 来年の新芽が弱まりやすいことも
花に栄養をようけ使いますので、新芽が控えめになることがございます。 農家さんが花の多さを“木の体調”として見る理由どす。
● 前の夏の影響が出ること
茶の花の多さは、その年よりも前年の気候に左右されるんどす。 暑さ・乾燥・大雨などの負担が、翌年の花に現れます。
■ 自然の中で、木が伝えてくれていること
茶の木は話しませんけれど、 花の数や咲き方に、そのときの“気持ち”が出るように思います。 耳を澄ませるように眺めてみますと、 自然がそっと置いていったメッセージに気づける気がします。
花の声 風にまぎれて 冬を告ぐ
■ お茶の力は、食卓にも寄り添います
お茶は季節の香りを映すだけやなく、 お料理の味をすっきりまとめてくれる力もあります。 焼売のように、肉の旨みがしっかりしたお料理には、 ほどよい渋みのお茶が、とてもよう合うんどすえ。
脂の重さをふっと軽くして、 後味をきれいに整えてくれはります。
■ 京都点心福の「焼売専用茶」のご紹介
そんな“点心とお茶の相性”に目を向けて、 京都点心福がお作りしたのが 焼売専用茶どす。
- 脂をやさしく流してくれるすっきりした渋み
- 香りが焼売の旨みを上品に引き立てます
- 食後の余韻が軽やかで続きます
■ おわりに
茶の花が多い年には、 木ががんばってきたことや、翌年への兆しがそっと映ります。 そして、お茶は日々のお食事にも寄り添い、 味わいをやさしく整えてくれる存在です。
自然の流れといっしょにいただく一杯は、 きっと心にも身体にも、ほっと温かい時間をくれるように思います。
PDFを開く
一覧へ戻る

