東寺ライトアップと冬の京|舞妓・点乃のそっと語り

東寺ライトアップと冬の京
霜月も深まり、空気が少しずつ透き通ってくる頃。 東寺では、夜の五重塔が静かに照らされ、冬の始まりをそっと知らせてくれます。 冷たい空気に身を寄せながら眺める光景は、不思議と心を落ち着かせてくれるものです。
■ 夜に浮かぶ五重塔の姿
ライトアップされた五重塔は、昼間とは雰囲気が変わり、 どこか柔らかさと凛々しさが混ざり合ったような佇まいになります。 夜空のなかにすっと立つ姿を見ていると、ゆっくりと息を整えるような気持ちになります。
■ 水面に映る、もうひとつの塔
池が静かな夜には、水面に五重塔が映り込みます。 光が揺らがずに広がるとき、本物と映る姿が寄り添うように重なり、 見ているだけで思わず立ち止まってしまうほどの美しさになります。
■ 名残りの紅葉がつくる、やさしい冬の入口
紅葉の盛りは過ぎていますが、照明の光を受けた葉は、 もう一度だけ輝きを見せてくれるように感じます。 秋と冬が手を取り合うような時間に出会えるのも、この季節の楽しみです。
■ 寒い夜には、やさしい温かさを
冬の夜を歩いたあとは、指先まで少し冷えてしまいます。 そんなときは、蒸し器を開けた瞬間に立ちのぼる湯気がうれしいものです。 職人さんが心を込めて包んだ焼売や餃子は、 ひと口食べるだけで体の中にそっと温かさが戻ってきます。
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