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2026-09-28 福福通信

カラスウリと舞妓の化粧下地|見えない京の美と美味しい食べ方

点乃のお話

カラスウリと舞妓の化粧下地
── 見えないところに宿る京の美 ──

おこしやす、点乃どす。秋の山で赤う染まったカラスウリ。あの実の中に、ぷるっとした透明の粘りがあるんどす。

昔の京の女性は、その粘りを白粉(おしろい)の下地に使わはったんえ。自然さんの力って、ほんまにようできてますなぁ。

■ カラスウリの粘りは“天然の下地”どす

熟したカラスウリの実を割ると、ゼリーみたいな粘りが出てきますえ。これが肌に薄く伸びて、乾くとすーっと膜をつくってくれます。白粉をきれいにのせるための、大事なベースになってくれるんどす。

  • なめらかに伸びる
  • 乾くとさらっとして粉を受け止める
  • 化粧崩れをふせぐ
  • 自然のものやから肌にやさしい

昔の京の方は、この粘りをうまく使わはって、白粉をきれいに仕上げてはったんやと思うと、なんや心が温もります。

■ 舞妓の白塗りは“下地”が命どす

白塗りいうたら華やかなイメージがありますけど、ほんまは「塗る前の準備」がいちばん大切なんどす。下地が整ってへんと、どんな白粉もきれいに乗りまへん。

【点乃の下地の流れ】

  1. お肌の水分や油のバランスを整える
  2. 鬢付け油(べんつけあぶら)を薄うのばす
  3. 白粉がすべるような土台をつくる
  4. その上に、そーっと白粉をのせる

白塗りは、見える部分よりも「見えへん準備」が勝負どす。これは、カラスウリの粘りと同じ考え方やと思いますえ。

■ カラスウリはお口に入るんやろか?

「お化粧に使うんやったら、食べられるんやろか?」と思われるお方もおはすかもしれまへんね。

実は、秋に赤う熟した実は苦味が強うて、食用には向いてへんのどす。お化粧の下地にしたり、種をお財布に入れて縁起物にしたりと、目や暮らしで楽しむもんどすえ。

【食べるなら夏の青い実と新芽】

せやけど、まだ赤くなる前の夏の青い若い実でしたら、苦味も少のうて、お塩や粕で漬けたり、お味噌汁の具にして美味しくいただけます。さらに、初夏にとれる若い芽や葉っぱは、山菜のように天ぷらや和え物にして楽しめますえ。

赤い実は美しさを引き出し、青い実は舌で味わう。季節ごとに姿を変えてお役に立ってくれる自然の恵み、ほんまに無駄がおまへんなぁ。

■ 京の美は“手間ひま”に咲くものどす

自然がつくった下地と、人が磨いた下地の技。どちらも、いきなり美しくなるわけやありません。

見えないところを丁寧に整えてこそ、ふっと花が咲くように美しさがあらわれるんどす。

「京の美しさは、見えへんところに宿る」
そんな古い言葉が、なんや心に沁みてきます。

見えない手間ひまを大切に、職人がひとつひとつお包みしている京都点心福の点心たち。
よろしければ、お店の方も覗いておくれやす。

京都点心福

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