遅れて咲いた金木犀と、塩焼売でそっと整う夜【点乃】|京都点心福

遅れて咲いた金木犀と、塩焼売でそっと整う夜【点乃】
きょうは、遅れて届いた秋の香りに寄り添う、小さな食卓の提案です。
ことしの京都は、季節の歩みがゆっくりでしたね。ふつうなら九月の終わりから十月のはじめに町を満たす金木犀の香りが、 およそ一か月遅れて、霜降を過ぎた今ようやく満開になりました。
夜気が少し冷えて、角を曲がったとたんにふわり――その甘さに、胸の奥がやさしくほどけます。
甘い香りは、思い出をそっと開きます
金木犀の香りは、ただ「よい匂い」だけではなくて、心の記憶と結びついているように思います。通学路の並木、帰り道の影絵、 だれかを見送った夕暮れ。香りに触れると、時間が少しだけ巻き戻るような感覚がいたします。
香りの余韻には、引き算の味を
甘い空気を吸い込んだあとは、味は静かに整えたくなります。わたしが食卓に置くのは、京都点心福の「塩焼売」です。
国産豚と玉ねぎの旨みを、余計な調味を足さずに塩で引き締めた設計。湯気の一口めから体がほっとして、後味はすっと軽やか。 金木犀の余韻に、凛とした輪郭が合わさって、静かな満足が続きます。
塩焼売のご案内
2個ずつの個包装で、冷凍庫にあると安心です。袋のまま温められるのも、忙しい日にはうれしいところですね。
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