さつまいもの巨大化|利点と弊害を解説|京都点心福

さつまいもの巨大化|利点と弊害をやさしく解説(点乃版)
秋の空気が澄んでくるころ、畑から「まあ大きいわぁ」というさつまいもがお顔を出しますえ。見た目は心はずむのどすけど、使い方によっては向き不向きがあるんどす。ここでは、利点と弊害、それから上手な活かし方を、点乃がやさしくお話します。
どうして大きくなるの?(背景)
苗の植え方(角度や深さ、埋めた節の数)や肥料の具合、土の締まり方、そして掘りどき。これらが重なりますと、一本に栄養が集まってぐんと大きくなることがありますの。収穫を遅らせるほど、もう少しふくらみやすい傾向もありますえ。
大きいからこその「いいところ」
1)加工に向いて、歩留まりがよろしい
スイートポテトや芋あん、ポタージュなどつぶして使うお料理は、とっても相性がよろしおす。皮むきや下ごしらえの手数も少なくて、量もようけ取れますえ。
2)寝かせると甘みがのる
十三〜十五度くらいの涼しくて湿り気のあるところで追熟してあげますと、でんぷんがゆっくり糖になって、蜜の香りが増しますの。焼き芋は「寝かせ」が肝どす。
3)見た目の楽しさ・話題づくり
直売所や催しではジャンボ芋が目を引きますえ。写真に撮っても映えますし、季節の楽しさを広げてくれます。
気をつけたい「困りごと」
1)味と食感が落ちることも
中心が空洞になったり、繊維がちょっと荒くなったりして、甘みやねっとり感が弱まるときがありますの。焼き芋には不向きな場合もありますえ。
2)火の通り・保存のむずかしさ
外は焼けても中が生っぽい…なんてことも。サイズが大きい分、傷みやすさや保存スペースの問題も気になりますえ。
3)規格外で流通にのりにくい
市場では大きすぎて扱いにくく、箱詰めにも工夫が必要になりますの。贈りものや業務用のきれいな揃いには合わへんことも。
上手に活かすコツ(点乃のひと口メモ)
- 焼き芋にこだわらず、ペースト・スープ・芋あんなど加工向けに。
- 追熟(13〜15℃・高湿・風通し)で、甘みを引き出しましょ。
- お料理の前に切り分けて、火の通りを揃えるのがコツどす。
- 規格外は直売やイベントの話題化で、価値の着替えを。
要するに、その子の得意な場所に立ってもらうこと。素材の個性は、使い方ひとつでぐっと輝きますえ。
まとめ ― 「ほどよさ」を味方に
大きなさつまいもは、ときに頼もしい味方、ときにちょっと気難しい子。よう見極めて、合うお料理に生かしてあげれば、ちゃんと応えてくれはります。贈りものや焼き芋には、やっぱりほどよいサイズが映えますえ。季節の恵みと、うまく寄り添っていきましょ。
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