空を包むしゅうぱん ― 心をやさしく満たす京の点心|京都点心福<

🌸 空を包むしゅうぱん ― 心をやさしく満たす京の点心
こんにちは、点乃どすえ。
十月も半ばを過ぎて、朝晩の空気が少し冷たうなってきました。蒸籠(せいろ)を開けると、ふわぁっと立ちのぼる湯気が、秋の霞みたいにやさしく包んでくれはるんです。
そんな湯気の中から生まれたのが、新しい京の点心――「しゅうぱん」どす。
包むのは“空(くう)”――それが京の粋
このしゅうぱん、見た目は肉まんみたいなんやけど、中にはあんが入ってへんのどす。そう、“空洞を包む”んどすえ。
「なんで空を包むの?」と思われるかもしれへんけど、そこには京都らしい考え方があるんどす。 空(くう)を包むことで、焼売を後から迎えたときに初めて完成する。 つまり――余白のうつくしさを味にした点心なんどす。
焼売を待つための、やさしい器
しゅうぱんは、ふんわりした蒸し生地の中に、焼売がちょうどおさまる“空間”を包んであります。 そこに焼売を入れて蒸すと、パンがふくらみながら焼売の香りをやさしく抱きしめてくれるんどす。
その様子、まるで「おかえりなさい」と言うてるみたい。 そんなやさしい京の味、どうぞ感じてみておくれやす。
電子レンジでもふわっと温もる
しゅうぱんは中が空いているから、温まりやすくて電子レンジでもふんわり。 忙しい朝や小腹のすいた夜にもぴったりどす。 手間がいらんのに、ひと口食べたらほっと心がほどける――そないな点心なんどす。
空を包んで、心を満たす
焼売をひとつ入れて食べたら、肉汁がじゅわり、パンがふんわり。 空っぽの中に、しあわせがふくらんでいく感じ。 きっとそれは、“空を包んで、心を満たす”ということなんどすなぁ。
「空っぽも、しあわせのかたちどすえ」
― 舞妓 点乃
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