【点乃だより】酔芙蓉に寄せる京都秋の献立帖

【点乃だより】酔芙蓉に寄せる京都秋の献立帖
文責:点乃(京都点心福)|発行日:2025年10月2日
庭の酔芙蓉は、朝は白く、昼には淡紅、夕べには紅へと表情を変えていきます。
そのやわらかな移ろいに合わせ、点心と伏見の酒で静かな秋の時間を整えました。
一、白の朝 − 昔ながらの焼売
白い花びらに寄り添うように、素朴でまっすぐな昔ながらの焼売を。細挽きの豚とクワイの歯ざわりが、やさしく目を覚ましてくれます。
二、淡紅の昼 − 海老水餃子
ほんのり色づくころは海老水餃子を。粗切りの海老と豚の旨み、もちもちの皮。柚子胡椒を少しだけ添えると、香りがやさしく広がります。
三、紅の宵 − 鬼辛焼売
宵の深まりには鬼辛焼売を少し。ほどよい辛さと肉汁の力強さを、伏見の純米でやわらかくまとめます。
四、夜更けの静けさ − 大根餅
一日の終わりは大根餅でやさしく。外は香ばしく、中はほの甘く。ぬる燗のやわらかさが、余韻を静かに残します。
点乃より:花の色が少しずつ変わるように、今日の気分に合わせてお召し上がりください。ささやかな時間が、やわらかく続きますように。
PDFを開く
一覧へ戻る